脳内物質オレキシンと「敗血症性ショック」

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    ・睡眠や目覚めにかかわる脳内物質オレキシンが、細菌感染で毒素が全身に回って重篤な状態に陥る「敗血症性ショック」の治療薬になる可能性があるとする研究成果を、筑波大の柳沢正史教授らのチームが発表した。

    マウスの実験で生存率が大幅に改善したという。

     

    敗血症性ショックは治療法が確立しておらず、多臓器不全などを起こして死亡する危険性が高い。

    研究チームは、敗血症性ショックを起こす毒素を投与したマウスに、オレキシンか生理食塩水を24時間かけて背中に皮下注射して経過を観察。

    毒素投与の30分前から予防的に注射を始めたグループでは、5日後の生存率がオレキシンでは90%で、生理食塩水の30%を大きく上回った。毒素投与の30分後から始めたグループはオレキシンが50%で、生理食塩水は10%だった。

     

    ・皮下注射したオレキシンは通常、脳内に届かない。

    だが、研究チームが調べたところ、敗血症性ショックの状態ではオレキシンは脳を守る「血液脳関門」を通過して脳内に届いていた。

     

    ・研究チームは、オレキシンが脳内で免疫や体温調節にかかわる中枢神経の働きを活発化させることで、全身で炎症物質の濃度が下がり、体温や血圧の低下といったショック症状の改善につながったとみている。

     

    既存の治療法との相乗効果が期待できるため、作用のメカニズムの解明が待たれる。

     

    参考・引用

    朝日新聞・朝刊 2017.3.2


    思春期特発性側湾症の遺伝子

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      重症化に関与する遺伝子=背骨曲がる難病、予測法期待−理研など

      ・背骨が10歳以降に横に曲がる難病「思春期特発性側湾症(AIS)」について、患者のDNA解析で重症化に関連する遺伝子を発見したと、理化学研究所と慶応大医学部の研究チームが発表した。

       

      AISは遺伝要因と環境要因の相互作用で起きる。

      発症の仕組みを解明するほか、進行予測法や予防・治療法を開発する手掛かりにもなるという。

      論文は英科学誌ヒューマン・モレキュラー・ジェネティクスに掲載された。

       

      この遺伝子「MIR4300HG」からは、他の遺伝子の働きを調節する短いリボ核酸(RNA)「マイクロRNA」が生み出され、量が少ないと背骨の曲がりが進むとみられる。

      側湾症にマイクロRNAが関与していることが分かったのは初めて。

       

      解析対象は日本人の患者約2750人。背骨の曲がりが進行したグループと進行しなかったグループに分け、DNA配列に違いがある遺伝子を調べた。

       

      参考・引用

      日経新聞・夕刊 2017.8.28


      ヒトiPS由来の心筋細胞、薬の毒性評価に有用

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        ヒトiPS由来の心筋細胞、薬の毒性評価に有用 

        ・国立医薬品食品衛生研究所の研究チームは新薬候補物質の毒性を事前に調べる研究に、ヒトiPS細胞から作った心臓の細胞が

           有用だと確認した。

         細胞の拍動や薬剤に対する反応などが、約5000人の心電図から得られた特性とほぼ一致した。

         新薬開発の効率化やコスト低減などに役立つ成果で、米オンライン科学誌プロスワンに7日掲載される。

         

        ・新薬候補は人に投与した際に致死性の不整脈などを起こさないか、事前に詳しく調べる必要がある。

         現在は動物実験などで調べている物質の毒性をiPS細胞を使ってより正確に確認できれば、臨床試験などに進んでから開発

         を中止するケースが減る。

         創薬の成功率も高まる。

         

        ・研究チームはヒトiPS細胞から心筋細胞を作り、拍動や電気的な活動、薬剤を振りかけた際の変化などを観察した。

         その結果、米国で心電図から得られたデータとほぼ一致したという。

         

        ・ヒトiPS細胞から作った心筋細胞で毒性を評価する手法は有望とされ研究開発が進んでいる。

         科学的に有用だと示したのは初めてという。

         

        参考・引用

        日経新聞・朝刊 2016.12.7


        がん検診7道県で不備

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          がん検診7道県で不備 事後評価実施せず、総務省調べ 

          総務省は30日、がん検診の精度を保つため都道府県が実施する事後評価について、17都道府県を抽出して2012〜14年度の状況を調査したところ、約4割に当たる7道県で不備が見つかったと発表した。

          北海道は評価自体をしておらず、精度の低下を防げなかった疑いがあるという。

          青森、埼玉、愛媛、福岡、長崎は主な四つの評価項目の一部が未実施だった。

          香川は望ましいとされる毎年度の評価をしていなかった。

           

          抽出調査の対象外だった30府県でも不備がある可能性があり、総務省は「がん検診の質が十分に確保されていない状況がみられる」として、所管する厚生労働省に改善を勧告した。

           

          北海道のある医療機関では、12、13年度に胃がん検診を受けた後、精密検査が必要とされた人の割合がいずれも30%を超え、適切とされる値(11.0%以下)の約3倍に上った。

          総務省は「多くの異常のない人が、がんと疑われたと考えられる」と指摘。

          逆に、がんがあるのに見逃したと疑われる例は見つからなかったという。

           

          事後評価は07年施行のがん対策基本法で推進が定められた。

          都道府県は

          (1)受診率やがん発見率など国が設定した指標のモニタリング

          (2)外部の有識者協議会による評価

          (3)評価結果の公表

          (4)検診の実施主体となる市町村への指導

          ――などにより、検診結果を検証するよう求められている。

           

          総務省によると、北海道は4項目とも未実施だった。

          埼玉は協議会の評価を受けておらず、結果も未公表。

          青森、愛媛は評価結果を公表せず、福岡、長崎は市町村に必要な指導をしていなかった。検診は胃がん、肺がんなど5種類あるが、香川は毎年度一部の評価しかしておらず、対応にばらつきがあった。

           

          北海道の担当者は「道の役割や評価方法が分からなかった。今後は適切に対応していく」と釈明している。

           

          参考・引用

          日経新聞・夕刊  2016.9.30

           

          私的コメント

          ・総務省が厚労省に改善を勧告・・・総務省がどういうことを行っている省なのかよくわかりません。

          ・「多くの異常のない人が、がんと疑われたが、逆にがんがあるのに見逃したと疑われる例は見つからなかった」・・・それはそれでいいのではないかと思います。

           


          副作用漏れなく報告を 厚労省

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            副作用漏れなく報告を 厚労省、医療機関向け手引 

            厚生労働省は医療機関からの薬の副作用報告が実際よりも少ないとみて、報告を促す手引を作成した。

            副作用が疑われる事例を漏れなく一元的に管理する部署や責任者の配置を求めた。

            薬局と連携し、患者のふらつきや頭痛などを確認し、副作用が原因か調べるよう促している。

            副作用の報告数を増やし、医薬品の適正使用のための対策の検討に役立てる。

             

            薬の副作用の報告は医薬品医療機器法に基づき、

            (1)製薬会社など企業が医療機関などから情報収集し医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告する

            (2)医師など医療関係者がPMDAに直接報告する

            ――の2つのルートがある。

             

            このうち、厚労省は医療関係者からの直接報告が少ないことを問題視している。

            2015年度でみると、企業報告は5万977件であるのに対し、医療関係者からの報告は6129件と、8.3倍の開きがあったためだ。

            厚労省は同程度あるべきだと考えている。

             

            こうした問題が起きている背景に、医療機関の報告体制が整っていないなどの課題があり、厚労省の研究班は医療機関からの報告を促そうと対応事項をまとめた手引を作成した。

            副作用が疑われる情報を一元管理する部署や責任者を置くことを求め、医療安全管理室や薬剤部などがその役目を担うのが望ましいとしている。

             

            また厚労省によると、複数の医薬品を併用する患者で副作用が起きた場合、どの医薬品が原因か特定できずに、企業に報告されないケースが見受けられるという。

            こうした問題点を解消するため、PMDAへの報告を優先することを手引で明確にした。

             

            手引は薬局との連携も強調。患者の残薬の確認などをする際、副作用についても状況確認するよう求めた。

            具体的にはふらつきや眠気、それに伴うけがなどが起きてないか聞き取り、医療機関に情報提供するよう記載している。

             

            参考・引用

            日経新聞・朝刊 2017.8.12


            製薬会社の新興国進出、後押し

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              製薬会社の新興国進出、後押し 官民で機構設置へ

              http://www.asahi.com/articles/ASK5J5QFLK5JUTFK00Y.html

              ・政府は、日本の製薬会社の新興国への進出を後押しする機構を民間と共同で立ち上げる。現地で参加企業が一緒に使える工場を新設するなどして、市場拡大を図る。

               

              ・国内の製薬市場は人口減などで長期的に縮小する可能性が高い。そのため、今後の成長が見込まれ、欧米の製薬業界の進出も相次ぐ新興国での日本企業の競争力を高める狙いがある。

               

              ・設立するのは「国際医薬協力推進機構(仮称)」。新設する工場を事業に加わる製薬会社が相乗りで利用し、稼働率を上げる。薬品の流通も一本化し、効率化を図る。医薬品の製造をめざす現地企業にも、工場利用を呼びかける方針だ。

               

              ・国内から十数社の製薬・バイオ医薬品会社が参加を予定。第1弾としてタイやベトナム、カンボジアなどでの工場建設をめざす。機構は株式会社とし、出資比率や設立時期は調整している。国ごとに数十億〜数百億円規模の事業とする。

               

               

              製薬各社が熱視線―なぜ今、アジア? 市場開拓、政府も強力に後押し

              http://answers.ten-navi.com/pharmanews/10376/

               

              製薬会社の海外進出後押し 政府、18年にも支援機構設立 

              https://textream.yahoo.co.jp/message/552018313/14dcb40deb54912bcb2ccfea26cd975a/1/2484

               

               

              (こうして血税が大企業にジャブジャブ注ぎ込まれていく)


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