乳がんのリンパ節転移を画像で診断 検査の負担軽減へ
乳がんがリンパ節に転移しているかどうか、CTとMRIを組み合わせて画像から診断する方法を開発したと、大阪急性期・総合医療センター(大阪市)が2017年7月20日、発表した。
検査のために患者のわきの下のリンパ節の一部を採取せずに済み、負担軽減が期待できるという。
乳がんはわきのリンパ節への転移の有無が進行度の評価に重要となる。
現在は乳房内のがん細胞が最初に転移するとされる1、2個のリンパ節を採取して調べる方法が主流だが、転移していないこともある上、腕のむくみやわきの感覚異常といった後遺症が起きる恐れがある。
新たな方法では、調べるリンパ節の位置をCTで正確に特定し、造影剤を注射したうえでMRIを使って転移の有無を評価する。体内の脂肪を転移と見誤らないよう工夫し、微小な転移も正確に分かるという。
乳がん患者70人についてこの方法で診断したところ、従来の方法で確認できた転移の有無の約97%を正しく診断できた。
転移の見落としはなかった。
6月末からは乳がん患者500人を目標に同センターで臨床試験に取り組んでいる。
乳腺外科の主任部長は「画像でも高い精度で転移の有無を診断できた。臨床試験でいい成績が出れば、先進医療として導入したい」と話す。