A群レンサ球菌咽頭炎に最良の抗菌薬は?

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    A群レンサ球菌咽頭炎に最良の抗菌薬は?

    http://www.carenet.com/news/general/carenet/42759?utm_source=m27&utm_medium=email&utm_campaign=2016110302

    咽頭スワブでのA群β溶血性レンサ球菌(GABHS)陽性者において、咽頭痛に対する抗菌薬のベネフィットは限られ、抗菌薬が適応となる場合にどの薬剤を選択するのが最良なのかは明らかになっていない。

    今回、オーストラリアの研究グループが19件の無作為化二重盲検比較試験を評価し、GABHSによる扁桃咽頭炎の治療におけるセファロスポリンとマクロライドをペニシリンと比較したところ、症状消失には臨床関連の差が認められなかったことが示された。

    著者らは、「今回の結果から、コストの低さと耐性のなさを考慮すると、成人・小児ともにペニシリンがまだ第1選択とみなすことができる」と記している。

    The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年9月11日号に掲載。

     

    <私的コメント>

    副作用としての下痢や小児に使用する際の薬剤の「まずさ」から、ペニシリンを第1選択にすることは躊躇されます。

    コストの低さは、すべての患者が望むところではありません。

    また、有効性が同等であるということならばセファロスポリンやマクロライドを使用してもよいという考えも成り立ちます。

     

    主な結果は以下のとおり。

    ・ペニシリンとセファロスポリン(7試験)、ペニシリンとマクロライド(6試験)、ペニシリンとカルバセフェム(3試験)、ペニシリンとスルホンアミドを比較した1試験、クリンダマイシンとアンピシリンを比較した1試験、アジスロマイシンとアモキシシリンを小児で比較した1試験の合計19試験(無作為化された参加者5,839例)を評価した。

     

    ・すべての試験で臨床転帰が報告されていたが、無作為化、割り付けの隠蔽化、盲検化に関する報告は十分ではなかった。

     

    ・GRADEシステムを用いて評価されたエビデンス全体の質は、intention-to-treat (ITT)分析における「症状消失」では低く、評価可能な参加者における「症状消失」と有害事象では非常に低かった。

    しかし、ITT解析では統計学的に有意ではなかった。

     

    ・臨床的再発については、セファロスポリンがペニシリンと比べて少なかったが、これは成人だけで認められ、NNTBが高かった。

     

    ・どのアウトカムにおいても、マクロライドとペニシリンに差はなかった。

     

    ・小児における1件の未発表試験において、アモキシシリン10日間投与と比べて、アジスロマイシン単回投与のほうが高い治癒率を認めたが、や、長期フォローアップでは差はなかった。

     

    ・小児では、アジスロマイシンがアモキシシリンより有害事象が多かった。

     

    ・ペニシリンと比較してカルバセフェムの治療後の症状消失は、成人と小児全体、および小児のサブグループ解析では優れていたが、成人のサブグループ解析ではそうではなかった。

     

    ・小児では、マクロライドがペニシリンより有害事象が多かった。

     

    ・長期合併症が報告されていなかったため、稀ではあるが重大な合併症を避けるために、どの抗菌薬が優れているのかは不明であった。

     

    Different antibiotic treatments for group A streptococcal pharyngitis.

    http://pmc.carenet.com/?pmid=27614728


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