卵アレルギーの人に朗報? 原因物質除去したニワトリ
卵アレルギーの主要な原因物質(アレルゲン)を作れなくしたニワトリを、ゲノム編集技術で誕生させることに成功した、と産業技術総合研究所や農業・食品産業技術総合研究機構などのチームが発表した。
受精卵を使って製造するワクチンなどの医薬品の安全性向上や、低アレルゲン性の卵の開発などにつながりうる成果という。
(英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表)
ゲノム編集は、狙った遺伝子を壊したり置き換えたりできる技術として注目されている。
ただ、ニワトリの卵は、受精から産み落とされるまでの24時間で細胞分裂が大幅に進むため、こ
の技術を使いにくかった。
チームは、精子の元になる細胞をゲノム編集技術で改変する方法をとった。
強力なアレルゲンになる「オボムコイド」というたんぱく質を作る遺伝子を除去。
この細胞を受精卵に移植して孵化させ、掛け合わせることで、この遺伝子が完全に欠落したニワトリをつくりあげた。
今後、卵を産めるかどうかや、卵白にオボムコイドが含まれていないかなどを調べるという。
研究チームの代表は「ほかにもアレルゲンはあり、これで卵アレルギーが一挙に解決するわけではないが、食用卵の安全性だけでなく肉質の改善など様々な応用が将来的に期待できる」と話す
参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.4.7
<私的コメント>
今やこういった研究が当たり前のように発表される時代になりました。
こういった研究に対して警鐘を鳴らすSF映画であったように記憶しています。
今回のニワトリは問題ないのでしょうが、遺伝子操作をされて誕生した動植物の管理についての厳格な規定ははたしてあるのでしょうか。