= 抗体医薬で花粉症治療 国内で重症者向け =
スイス製薬大手のノバルティスは2019年秋にも重症の花粉症患者向けの医薬品を国内で販売する。
花粉症向けとしては世界で初めての「抗体医薬」で、高い症状抑制効果が期待できる。気管支ぜんそくの薬として発売済みの薬を花粉症治療薬として改めて承認を得る。
発売するのは「ゾレア」という薬。医師が処方し医療機関で注射して使う。
ノバルティスは日本で臨床試験(治験)を進め、花粉症薬としての有効性が認められた。今年秋にも承認され発売する見込み。
対象となる患者は、花粉症で一般的に処方される抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などの既存薬を使っても十分に効果が得られない成人の重症患者。
国内の最終段階の治験では、こうした患者に上乗せ投与することで鼻や目の症状の改善効果が見られた。
ゾレアの薬価は75ミリグラム1本で約2万3千円で、使用する本数は体重や症状によって月1〜16本と異なる。
そのため患者の自己負担額も様々となるが、多くのケースで3万円前後になるもよう。
既存薬で効果が不十分な重症患者は国内に200万〜300万人いると推定されている。
ビジネスパーソンや女性の治療ニーズが高い。
ノバルティスは02年にも日本だけを対象に最終段階の治験を実施したが、当時は抗体医薬が最新の医薬品だったこともあり、承認申請を断念した経緯がある。
今回あらためて治験をやりなおし、有用性を証明した。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2019.2.28