貧血、iPS細胞で治療 京大 赤血球生成働きかけ
京都大学の研究チームは2017年9月27日、赤血球が増えるのを促すホルモンを作る細胞を人間のiPS細胞から作ったと発表した。
貧血のマウスに移植すると症状が改善した。
腎不全が原因で貧血になりやすい患者に対する新たな治療法の開発につながるとみている。
腎臓は様々なホルモンを作っており、その一つに赤血球を作る働きを促す「エリスロポエチン(EPO)」がある。
腎機能が落ちて足りなくなると貧血になる。
研究チームはiPS細胞や万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)から、EPOを生み出す細胞を作製。
腎機能の低下で貧血になったマウスに移植したところ、4週間で赤血球の値が正常になり、28週まで効果が持続した。
貧血治療に使う新薬候補の物質と一緒に投与すると、EPOの生成が増えた。
国内には約1300万人の慢性腎臓病の患者がいるとされ、貧血になる人も多い。
治療にはEPOの注射を定期的に受ける必要がある。
参考・引用
日経新聞 2017.9,29