可逆性脳血管攣縮症候群

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    可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome : RCVS)

    突然発症した激痛の頭痛で救急外来を受診し、頭部CTで異常がない場合は、もともと片頭痛があっても安易に片頭痛の診断を下してはいけない。

    RCVSは約30%に脳梗塞、円蓋部SAH、脳出血、可逆性後頭葉白質脳症(posteriorreversible encephalopathy syndrome : PRES)を合併するが、非合併時は頭部CTで異常を捉えることは困難であるため、RCVSの特徴の有無を確認し,迅速に頭部MRI・MRAを実施しなければならない。

    RCVSの特徴は、好発年齢が20〜50代の女性、既往症として片頭痛が多く、60%が二次性で、誘発因子として妊娠・分娩、動脈解離、薬剤(SSPIなど)などが挙げられる。

    80%はトリガーにより発症し、交感神経の過活動を誘発させるような因子として労作、いきみ、感情、入浴・シャワー、咳、くしゃみなどがある。

    雷鳴頭痛の発作は,平均1〜3時間(数分〜数日間)、持続と消失を繰り返す再発性が特徴で、発症から最初の1〜2週間に集中的に起き、発症4週間までに消失する。

    (参考・引用 日医雑誌 2022.12)

     

     

    可逆性脳血管攣縮症候群

    https://fukuoka-clinic.com/news/archives/77

    (分かりやすく簡潔に紹介されています)

     

    可逆性脳血管攣縮症候群

    http://komiyama.me/Kodomo/RCVS.html

     

    可逆性脳血管攣縮症候群

    https://循環器内科.com/rcvs/

     

    可逆性脳血管攣縮症候群

    https://neuroassociates.jp/research/rcvs/#:~:text=可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)は、雷鳴,が上がる事があります%E3%80%82

     

    可逆性脳血管攣縮症候群

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/35/4/35_416/_pdf

    (医学論文。ドクター向けです)

     


    脳動脈解離

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      脳動脈解離

      突然発症する激しい一側性の頭痛・頚部痛は椎骨動脈解離に特徴的で、出血や虚血がない頭痛・頚部痛のみで発症した場合には頭部CTを実施しても診断は困難なため、その際は頭部MRI・MRAを選択する必要がある。

      椎骨動脈解離患者の頭痛は後頭部(83%)が多く、痛みは持続性(56%)、拍動性(44%)、片頭痛の既往(23%)がある。

      頭痛の発現パターンに一定の特異性がなく.片頭痛などの一次性頭痛と誤診されることもあるので注意を要する。

      (参考・引用 日医雑誌 2022.12)


      薬剤性Parkinson症候群 

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        薬剤性Parkinson症候群 

        薬剤性Parkinson症候群はdopamine受容体阻害作用を有する薬剤(dopamine桔抗薬)を使用後に出現し、高齢者、長期・大量服用者に出現しやすい特徴がある.

        機序が線条体dopamine作動性シナプスの選択的障害であるため、臨床的特徴は、動作緩慢、筋強剛、姿勢反射障害,前傾姿勢の小刻み歩行がみられ、Parkinson病によく似ている。

        一方でParkinson病と比べて,無動といった運動障害で発症し左右差が乏しいこと、姿勢時・動作時振戦が出現しやすいといった特徴がある。

        また、経過が年〜数か月単位で緩徐進行性のParkinson病と比較して進行が数週〜月単位と速いこと、原因となる薬剤の内服があるかといった病歴聴取が重要である。

        抗精神病薬や抗うつ薬は気付かれることが多いが、制吐薬のような消化器病薬、降圧薬では見落としがちであり、注意が必要である。

        とくに高齢者は、いろいろな医療機関から薬剤を処方されており、気付かないうちにポリファーマシーとなっていることがある。

        抗Parkinson病薬であるL-dopaやdopamine agonistsの効果が乏しいことも特徴である。

         

        薬剤性Parkinson症候群は、頭部MRIは正常で、ドパミントランスポーターシンチグラムも正常で、線条体が三日月状あるいは勾玉の形に正常の集積を示す。

        (Parkinson硝では線条体の集積低下を示す)

        ただし、同シンチグラムの検査薬にはアルコールが含まれており、アルコール過敏患者に、注意が必要なこと,選択的セロトニン再取り込み阻害薬内服中は集積が上昇することや三環系抗うつ薬のアモキサピンなどでは集積低下することがあり、休薬期間などが日本核医学会のイオフルパン診療ガイドラインでは示されている。

        なお、Parkinson病では取り込み低下がみられる123I-MIBG心筋シンチグラムも薬剤性Parkinson症候群では正常である。

         

        治療は、原因薬剤を速やかに中止することである。

        早期の軽症であれば,原因薬剤の中止で症状の改善が数日〜数か月で得られるが、まれに症状が残存することもあり、早期診断が重要である。

         

        出典

        日本内科学会 2021年度セルフトレーニング問題集 

         


        「核酸医薬」脳到達容易に

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          「核酸医薬」脳到達容易に

          東京医歯大、武田などと 幅広い病気に期待

          東京医科歯科大学の横田隆徳教授と永田哲也プロジェクト准教授らは武田薬品工業などと共同で、病気に関わる遺伝子に直接作用する「核酸医薬」を脳内に効率よく届ける技術を開発した。

          マウスの実験で脳内の遺伝子の働きを7割以上抑える効果を確認した。

           

          アルツハイマー病やALS(筋萎縮性側索硬化症)といった神経変性疾患やてんかん、脳梗塞など幅広い臨床応用が可能とみている。

          複数の大手製薬会社と共同研究を進めており、臨床試験(治験)の1〜2年後の開始を目指す。

           

          共同研究には核酸医薬大手の米アイオニス・ファーマシューティカルズも参加した。

           

          核酸医薬は低分子薬、抗体医薬に続く第三の医薬品と呼ばれ、この2〜3年で急速に実用化が進んでいる。

          病気に関わる遺伝子を直接標的にして働きを抑えることができるが、脳の血管には異物の侵入を防ぐ「血液脳関門」があり、核酸を脳内に届けることは難しかった。

           

          横田教授らはDNAとRNAの断片が相補的に結合した「ヘテロ核酸」と呼ぶ独自技術を改良した。

          ヘテロ核酸のRNAのほうの端に脂質の一種であるコレステロールを付けておくと、血液脳関門を通過し、脳内の細胞に効率よく核酸が届くことを発見した。

           

          マウスの実験では大脳皮質や小脳、海馬などで特定の遺伝子の働きを7〜9割抑制できた。

          (日経新聞・朝刊 2021.8.24)

           


          「1回2億円超」の新薬承認へ 難病SMAの治療に使用

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            「1回2億円超」の新薬承認へ 難病SMAの治療に使用

            米国での1回の治療費が2億円を超える新薬が、日本でも承認される見通しとなった。

            厚生労働省の部会が26日、製造販売について了承した。

            国内での販売価格は改めて検討され、今春にも公的医療保険が適用されることが見込まれる。

             

            この薬はノバルティスの「ゾルゲンスマ」。

            運動神経がうまく機能しないために筋力の低下などを招く「脊髄性筋萎縮症」(SMA)という病気の2歳未満の患者に使われる。

             

            この病気はSMN1という遺伝子に問題があることなどが原因で、筋肉が萎縮してしまいやすい。

            生後6カ月までに発症する最も重いタイプでは、呼吸の補助がないと多くは2歳までに亡くなるとされる。

             

            ゾルゲンスマは、ベクターと呼ばれる運び屋にSMN遺伝子を入れて、静脈から点滴。

            運動神経でSMNたんぱく質をつくるようにすることで、筋力の低下などを防ぐ。

            治療は1回の点滴だけで終わる。

            これまでの臨床試験で、継続的な呼吸の補助なく生存できているといった効果が確認されている。

            中には、正常な子と変わらないくらいの運動機能で成長できている例も報告されている。

             

            米国で昨年5月に承認され、治療1回あたりの価格は212万5千ドル。

            日本円で2億3千万円あまりに相当する。

            日本での価格は、研究開発や製造にかかる費用などをもとに独自に決められる。

             

            朝日新聞・朝刊 2020.2.27

             

            <関連サイト>

            SMA

            https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/888


            パーキンソン病に新薬候補

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            パーキンソン病に新薬候補 阪大などが物質発見マウスで効果

            手足の震えや体のこわぱりなどの症状が出る離病パーキンソン病の新薬候補を、大阪大学などのチームが見つけた。

            病気の症状が出るマウスの脳内に入れると、手足の動きが改善したという。

             

            パーキンソン病の約1割は遺伝性で、「αシヌクレイン」というたんぱく質をつくる遺伝子の数が他の人より多い。

            αシヌクレインが脳内に過剰にたまると病気を引き起こすと考えられている。

             

            阪大の望月秀樹教授(神経内科)らは、たんぱく質が作られる途中にできる「リポ核酸(RNA)」に注目。

            RNAとくっつき、たんぱく質の合成を抑える「核酸医薬」の候補となる物質を発見した。

             

            この物質をαシヌクレインが脳内にたまった状態のマウスの脳に入れると、入れなかったマウスと比べ、歩行や手先の動作などの行動障害が、およそ4〜5割改善したという。

             

            遺伝性ではないパーキンソン病でも、αシヌクレインが脳内で異常にたまることが知られている。

            望月さんは「遺伝性に限らず、パーキンソン病の根治治療に近づく薬として、期待がも

            てるのではないか」と話した。

                

            朝日新聞・朝刊 2019.7.17


            脳梗塞発症リスク、遺伝子変異で予測

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              脳梗塞発症リスク、遺伝子変異で予測 岩手医大 

              岩手医大は、一人一人のゲノム(全遺伝情報)を調べ、遺伝子の塩基配列の個人による変異の違いによって、脳梗塞を発症する危険性を予測する手法を開発したと発表した。

              危険性の高い配列の人は、低い人に比べ2倍程度発症しやすいという。

              研究チームの代表は「一人一人が発症リスクを知った上で生活習慣も改善すれば、体質に合った脳梗塞の予防につながる」と話している。

              チームは脳梗塞の患者約1万3千人と、健康な人約2万6千人のゲノムを解析。配列が一つだけ違い「多型」と呼ばれる変異を1人ごとに約36万カ所調べ、発症のしやすさを予測する手法を開発した。

              別の患者千人以上のデータなどで確認したところ、危険性が高い人が発症する危険性は、低い人の1.8〜2倍という結果となった。

              血圧が高い人は発症しやすいことが知られているが、遺伝子の配列も危険性が高ければ、さらに発症しやすくなるという。

              チームは、さらに精度を高める研究を進める計画。

              この解析法はがんや生活習慣病、うつ病などの予測にも応用できるとしている。

               

              参考・引用 一部改変

              日経新聞・朝刊 2017.1.20


              多発性硬化症の仕組み解明

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                国立精神・神経センター 多発性硬化症の仕組み解明

                ■国立精神・神経医療研究センター 木村公俊研究員と山村隆特任研究部長らは、手足のしびれや感覚障害などが起こる神経の難病である「多発性硬化症」の発症や悪化の仕組みを解明した。

                マイクロRNA(リボ核酸)と呼ぶ微小物質が関わっていた。

                新たな治療法の開発につながるという。

                 

                多発性硬化症は脳や脊髄などに炎症が起きる自己免疫疾患。

                患者の体内では免疫にブレーキをかけて症状を抑える「制御性T細胞」と呼ぶ細胞が減っていることが知られていたが、仕組みは未解明だった。

                 

                研究チームは患者の血液を分析し、細胞が放出する微粒子に含まれる特定のマイクロRNAが増えていることを発見した。

                この微小物質は遺伝子の働きを制御し、制御性T細胞の増加を妨げていた。

                今後、どの細胞がマイクロRNAを含む微粒子を放出しているのかなど詳細な仕組みの解明を目指す。

                 

                参考・引用

                日経新聞・朝刊 2018.1.29


                パーキンソン病診断  血液中に役立つ物質

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                  パーキンソン病診断 血液中に役立つ物質 

                  順天堂大学の研究チームは、手足が震えて転倒しやすくなるなどの症状が出るパーキンソン病について、早期診断に役立つ物質を患者の血液から見つけた。

                  血液検査で発症前に診断できれば、治療を早めて進行を遅らせられる。島津製作所グループの島津テクノリサーチ(京都市)と実用化を目指す。

                   

                  見つけたのは「長鎖アシルカルニチン」と呼ぶ物質で、骨格を動かす筋肉の働きと関係する。

                  40〜80歳の患者約250人と健康な約80人の血液を採取し、血漿に含まれる成分を分析した。

                  早期の患者で濃度が低下していた。

                   

                  パーキンソン病は脳の内部で神経伝達物質ドーパミンを作る細胞が減って運動神経を調節できなくなる。

                  50歳以上に多く、60歳以上では100人に1人が患うとされる。

                  発症する5年以上前から、骨格を動かす筋肉の低下が始まることがわかっている。  

                   

                  参考・引用

                  日経新聞・朝刊 2017.8.28


                  脳の詳細な「地図」作成

                  0

                    脳の詳細な「地図」作成 米大、180の領域に分け

                    ・画像診断装置を使って脳を詳細に調べ、構造や働きなどに基づいて180の領域に分けた“地図”を作ったと米ワシントン大のチームが英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

                    これまでに知られていなかった100近くの領域が新たに特定された。

                     

                    ・オバマ米政権が推進する人間の脳機能の解明を目指す研究プロジェクトの一環。

                    成果は脳研究の土台となり、老化や脳の病気の研究に役立つと期待される。

                     

                    ・チームは、22〜35歳の健康な若者210人の脳を、磁気共鳴画像装置(MRI)で分析。

                    刺激を与えた時の反応や構造、神経のつながり方などさまざまな情報に基づき、大脳の表面を覆う大脳皮質を調べた。

                     

                    ・この結果、聴覚や視覚、温かさや冷たさなどを感じて反応する場所が、左右2つある大脳の片側だけで180の領域に分かれることが判明した。そのうち83カ所は既に知られていたが、残りの97カ所は新たに特定された。

                     

                    ・正確で解像度の高い脳の地図を作ることは、神経科学者の長年の課題だが、情報が限られていたため、これまで不明瞭な地図しかなかった。

                     

                    ・さらに改善することで、神経外科で治療に応用したり、他の霊長類と比較して人の進化について調べたりできるかもしれないと研究チームは指摘している。

                     

                    参考

                    日経新聞 2016.7.21


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